「生命保険」は期待値プラスなのか? 非金銭的期待値について
こんばんは、たけしです。
先日「生命保険」に関しての記事を書きました。
↓
●生命保険ネットビジネスをやってると生命保険は必要無くなる?
それを受けて、このような質問をいただきましたので、ご紹介します。
自分は年収300万の会社員で銀行口座の貯金は1000万あります。
年齢は今年34歳で独身です。結婚はしたいと思っています。
ちなみに現在1万程度の終身保険と月2万の個人年金(確定年金)に加入しています。
たけしさんの生命保険に対する個人的意見を教えてください。
A まず、基本的に生命保険というのは「相互扶助」によって保険金を賄っています。
死亡保険金なども、生命保険に加入している人たちの支払いを集めて保険金が出ているわけですね。
そして生命保険会社はある程度の死亡率を予測していて、その死亡率に合った保険金を支払っている事になります。
もちろんその中には生命保険会社側の取り分も含まれており、生命保険会社は予め予定死亡率を高めに設定して計算しているため利益が出るようになっています(※死差益と言う)。
保険会社も経営をしなくてはなりませんから、利益のために多めにお金を集めるのは当然の事ですよね。
保険会社はその他にも資金を運用などして利益を得たりもしていますが、基本的にはこの「死差益」が主な利益です。
生命保険会社全体の死差益を集めると、なんと2兆円を越すとも言われていますね。
つまりは、保険金を支払う側で考えると、還元率としては当然100%以下です。
確固たるデータは無いですが、生命保険支払いに対する保険金の還元率は、50~80%程度と言われています。
パチンコスロットの還元率が85~90%、
競馬の還元率が約75%。
宝くじの還元率が約47%。
他のギャンブル同様、全体の期待値で言うと同じようにマイナスである事が分かります。
ただし、間違ってはいけないのが、
「金銭的に期待値マイナスだからと言って価値が無い…」
とは言い切れないのです。
確かに生命保険は金銭的に言えば期待値はマイナスです。
しかし、だからと言って万が一の時に生命保険が無ければ自分や家族の生活は保障されません。
その為に、金銭的な期待値がマイナスだったとしても、リスクヘッジをしなければいけない場合があるという事なんです。
金銭的に期待値プラスかマイナスか……だけで考えていると良くないという、代表的な例ですね。
還元率は低くても、いわゆる「非金銭的期待値」が、生命保険にはあるという事になります。
金銭的期待値を削ってでも、リスクヘッジをしなければいけない…という事は、投資やビジネスでも良くある事です。
例えば、在庫を抱えるビジネスの場合。
期待値があるからと言って、資金を無視して仕入ればっかりしていては、商品が売れる前に資金が底をついて黒字倒産になりかねませんよね?
実際には予測した収入も上下のブレがあるでしょうし、万が一の出費の事やキャッシュフローなども考え、資金的余裕がある程度必要です。
つまり、資金と相談しながら期待値を削ってでも、リスク回避をしなければならない事が多いという事なんですね。
FX投資なんかでも同じ事で、期待値がプラスだからと言って下ブレ…つまり損切りを無視していては万が一の時に危険が生じます。
実はFXというのは、データ上損切りをしない方が期待値的にはプラスになりやすいのです。
しかしそれはあくまで資金を無視したデータです。
破産する可能性を可否するため、リスクヘッジのための運用では、必ず損切りというのは必要不可欠なんです。
まとめると、期待値というのは金銭的な価値だけでは無い…という事ですね。
非金銭的な価値も含め、その行動に価値があるのかどうかを判断して見極める事が、とても大事な事だと思います。